夏

ここ最近は日中は30度を少し越すが、朝は比較的涼しいし、海水温も少し下がった感じがする。しかし、日本が猛暑に見舞われるようになり恒常化したのが2010年以降らしいから、もう16年も猛暑の夏が続いている。っていうか昔は冷夏というのもあったのに、最近はそんな夏は訪れない。今の日本は猛暑と台風の夏という感じでホント過ごしにくくなってしまった。昭和の頃、福井にいた時は朝晩は網戸だけでじゅうぶん涼しかったし、昼も扇風機程度で何とかなっていたものだった。また常夏のハワイもこのところ荒れ模様になる天気が多い。今年もヨーロッパは大変で、特にパリなどはクーラーが付けられない基準の家が多く、年配の人が多く死亡している。つまりヨーロッパも10年ほど前まではクーラーが無くても何にも暑くなかったわけで、ここにきて一般住宅に住む人は相当堪えているらしい。こうやって気候が変われば、街の状況や人々の暮らし方も変わるわけで、浴衣や、風鈴や、打ち水や氷を切る音など「涼しげ」というものは姿を消し、確実に「涼しい」でしか耐えられなくなっている。浴衣も意外に風を通さないし、汗だくになっては着崩れるだけだし、風鈴は窓を閉め切っているので聞こえない。打ち水などすれば気過熱で温度が下がるより、かえって湿度が上がり蒸し暑くなる。また夏は夏野菜が体の温度を下げてくれるので食すことが多いが、今どきは女性は室内が寒いとかで暑い寒いが人工的すぎて、夏野菜の効能など忘れ去られている。また季節歳時期も気候とのずれが生じていてなかなか風情を味わうことが出来なくなっている。まぁ全ては温暖化の影響なのだろうが、屋形船も完全冷房付きだし、貴船の床に行っても、暑いものは暑いのである。もうちょっと風情を感じるような工夫ができないものかと思うが…。
鰹(カツオ)は夏の季語だが、初鰹に戻り鰹があり、今や1年中とれる魚になり、夏という感じでも無くなってきたし、台風も初秋の季語なのに梅雨の時期から来るようになり、俳句業界も温暖化で季語の整理が大変だろうなと思う。いずれにせよ、季節感のずれは仕方ないとしても、日本は四季折々を大事にしてきたし、季節の移り変わりに根付いて生まれた様々な暮らしの工夫や知恵があったりする。そういうものを伝承することがしにくくなってきてしまったのはいささか寂しい感じもする。子供の頃の夏といえば、朝顔、ラジオ体操、プール、スイカ、かき氷、カブトムシ、蝉の鳴き声、花火などだったが、軒下に朝顔が伸びているのを見ながら毎朝ラジオ体操に出かけていたあの頃の夏はもう遠い幻のようなものになってしまったのだなぁ。