THE LIFEFUMIO TAKASHIMA
ダイアリー2025.12.20

男の料理

確か中学生の頃ぐらいから料理を作っていたと思う。言い方を変えれば、料理というよりおかずだ。要は学校から帰っても晩めしまでに腹が減るから、取り敢えず、その辺のもので何かを作るというわけだ。野菜炒め的なものを作ってご飯の上に乗せ丼のように食っていたのを覚えている。母の実家が仕出し屋だったせいか、休みになると手伝いに行っていたので叔父が魚を捌くのを見て、見よう見まねで魚を捌けるようになった。従って今でも自分がいる時は家での料理は魚系が必ず入る。最近はスーパーで1尾丸ごと魚を買っても捌いてくれるので大きな個体は「2枚おろしで皮付き」、小さいのは「3枚でアラ付き」にしてもらうことが多い。特にヒラメやタイなどはアラが良い味しているので勿体無いからもらうようにしている。アラは別に煮付けにするが、家族はあまり食べないので自分だけの楽しみだ。特にヒラメは上品でとても捨てるには勿体無い。よく作るのが昆布じめカルパッチョだ。何てことはない、ヒラメを柵ごと半日ほど昆布じめにし、良い感じで水分も抜けねっとりしたものを薄くスライスし皿に並べてゆく。それにオリーブオイルをかけ、少し塩をつけて食べるだけだ。下手にネギやニンニクなど薬味は使わない。ヒラメと昆布の一体感が口の中に広がり、日本酒でもワインでもピッタリ合う。下手に醤油をつけるとヒラメのタンパクな味が醤油に負けてしまうのだ。

あと刺身にはワサビ醬油が定番だが、いろんな辛味を使うのも楽しい。大胆なものではマグロやカツオに玉ねぎおろしを使うのもうまい。切り身を薄めの大きめに切り、おろしに醤油をかけたものを包んで食べるとうまい。春先などに試してもらいたい。他にも青唐辛子、和からしなども良いが、京都の九条ネギも辛味としては合う。特に鰆(さわら)やカジキなどに合う。

時間があればアクアパッツァも作るが、自分の場合は多少手間ひまかけるようにしている。なぜかというとアクアパッツァは見栄えはいいが非常に骨があって食べづらいからだ。従って見た目は魚丸ごとドーンとはならないが、まずは魚をおろしアラだけで骨のスープを取る。長ければ数時間煮込んでみる。そのまま味噌を入れれば潮汁になるのだが、骨から出たスープをこし、そのスープでアサリを茹で、パプリカ、トマト、玉ねぎ、ズッキーニなどを入れ塩胡椒で味を整える。で魚の身の方は骨の全くない状態で適度な大きさに切り、フライパンでポアレするか、グリルする。その切り身を皿に盛り、上からスープをかけるという具合だ。レストランでのアクアパッツァは豪華で見栄えはいいが、ほぼアサリのスープであって、骨からの出汁は出ていない。

あと簡単料理を二つほど。先ずは紹興酒づけ。紹興酒1、醤油1、砂糖を適度に混ぜ、漬け込むだけだ。材料は例えばアサリのさっとゆがいたもの、車海老、渡り蟹などだ。1、2時間漬けておけば良い味になる。紹興酒の代わりに日本酒を使う手もある。

次にタコの漬物和え。漬物はしば漬け、たくあん、ザーサイ、キューちゃんなどが合う。タコは薄めに切り、漬物をみじん切りにし、ごま油で和えれば出来上がりだ。簡単だが驚くほど美味しい。

よく見るインスタは「けんた食堂」だ。彼の正しい日本語の使い方(ゴマをあたるとか鱗をかくなど)や、シンプルな料理には共感を覚える。今日はスーパーで牛すじがあったので、こうやって書いている間に牛すじ大根を作っている。まずは大根を水煮にして茹で汁は捨てる、牛すじは一旦煮てから水洗いして油や余計なものを取り除く、その手間が大事だ。二つを鍋に入れ、水、酒、醤油、みりんだけで煮上げる。生姜やネギなど一切入れない。シンプルに2つの材料を下ごしらえして合わせるだけだ。大根には良い味がたっぷり染み込み、味見をすればどちらを食べてもうまい。あとは食べる時に七味唐辛子があればじゅうぶんだ。その他、カレイの煮付け、甘エビの紹興酒づけ、アサリ、エビの卵とじあたりだ。お歳暮の頂き物もあるので他につまみ類はたくさんある。こういうヒマな休日にじっくりとキッチンに立つのは楽しいものだ。

※写真は今出来上がった牛すじ大根(大根にもギュッと味が入り込みました)