THE LIFEFUMIO TAKASHIMA
ダイアリー2026.2.2

いい家

住宅遺産トラストというのある(hhtrust.jp)。著名な建築家の建てた家を集め、売り手と買い手を結びつける活動を行っている団体だが、そこには前川國男、吉村順三、村野・森建築事務所など著名な人の設計した家が存在している。それらを修復して建てた当時のまま保存しようしているのであるが、やはりこういう建物が無くなるのは、歴史的文化的にも惜しいことである。女優鈴木京香さんも建築家吉阪隆正さん設計の「ヴィラ・クゥクゥ」(1957年)を個人で買い再生、保存されている。やはりそれらの家はそれなりのこだわりや佇まいがあり、最近のマンションなどにありがちな間取りとは一線を画しているし何よりもその建物がある通りの価値まで上げるような気がする。

そんな中、実はあくまで投資のつもりで、とある戸建て不動産を買うことになったのだが、これが香港在住で活躍したイギリス人建築家、故Alan Fitchという人の設計だった。更地にしていつか転売しようと思っていたのだが、そのお宅を拝見させて頂いて、気が変わった。1985年に建てられたRCのしっかりした家だが実に趣深い、よく考えられた家なのである。間取りも然りだが、庭の構成、窓の位置など。Alan Fitchはそんなに有名な建築家ではないが、香港のシティホールが代表的作品で、1970年の大阪万博の香港館をデザインしたりしたが、彼の様々な資料は香港の美術館M+に収蔵されている。何故そんな人が設計した家が日本にあるのかは売主さんから聞いてなるほどと思ったが、とにかく彼の作品としての家は日本ではこの1軒だけなのである。そんな事もあり、中を拝見させていただくうちに、再生したら実にいい家になる気がしたのである。366m2の5LDK、地下スペース、カーポート3台という大型の家ではあるが瀟洒な家に再生できると思った。そのお宅がある街並みは一応閑静な住宅街だ。再生することでその街の価値も上がれば満足だ。