愛しのサルデーニャ②

いよいよレース当日だ。スタートが遅いので余裕はあるが、先ずはインスタントのしじみのお味噌汁を飲んだ。それから永谷園のお茶漬けだ。次にカップヌードル、バナナ、以上だ。無茶苦茶な組み合わせだが。いざとなっては仕方がない。本来はおにぎり等を食べるのが普通なのだが、やはり外国だと思うようにいかない、アルゲーロに和食屋はないのだ。みんなで決めた集合時間に集まり、会場に行く、バイクのドリンクなどを設置し携帯やビーサンなど要らないものを白い袋に入れ、また自分の番号のところにかけておく。さぁスタートの位置まで移動だ。スイムスタートはゴールから500mほど離れた場所だ。スタートはまず1900mのスイムの予想タイム順に並ぶ。そして約3000人の人々が6人ずつ6秒おきにスタートする、いわゆるローリングスタートだ。最近はこのスタート方式が多いが、ヨーイドンで一斉スタートするよりはバトルになりにくいので良いと思う。自分は仲間達と35−40分のゾーンに並んだがスタート時間から20分以上過ぎてスタートした。短い51.5というトライアスロンに比べ、今回のはスイム1.9K、バイク90K、ラン21Kのアイアンマン70.3というレースだ。時間は7時間ほどかかるが、やり切ればゴールはあると思っているのでスイムスタートから始まるが何時間後かにゴールに戻ればいいやと思っているので長い旅の始まりだと思っている。
いよいよスイムがスタートした。遠浅なのでしばらくは跳ねるように走って入水した。そして10mも進まないうちに「アレっ」っとなった。ゴーグルがダメだぁ。左側に水が入ってくる。また押さえつけて水が入らないようにすると瞼がゴーグルにふれこれまた見にくい。そうなんだ、実はレースが初おろしのゴーグルだった。ハワイで同じものを二つ買ったつもりで持ってきたのだが、使っていた一つと違って、使用感が全く違う。しかし、そのゴーグルで慣れた頃には第1ブイまで来ていた。まぁ、半目で見えないような状況で泳ぐしかないので、なかなか次のブイが見にくくて仕方がない。俺の選択ミスだから誰を責めるわけにもいかないからこのままやるしかない。しかし、目標確認で何度か立ち泳ぎで確認したり、海の中でトイレをしたりとかで55分もかかってしまった(予想は45分位のはずが)。また途中でたまたま上から乗っかってきた奴に自分の手が当たり右薬指を突き指してしまった。「痛えなぁ、腫れなきゃいいけどなぁ」と思いながらもストロークを続け、ようやくスイムを上がり、バイクの場所に着くとなんとほとんどのバイクが無くなっている。つまりみんな相当に早いということだ。まずウェットスーツを脱ぎ、ヘルメットをかぶり、バイクシューズを履き、ゼッケンをつけ、自分のバイクを取り、バイクスタートにつく。今回のコースは獲得標高(全て登りの合計が772m)なので、割ときついコースだ。ただバイクはGWを中心に練習していたので割と走れたし、登りもキツかったが、それなりにこなせたつもりだ。バイクを終え、戻ってみると、ほぼ全てのバイクが戻っているんじゃないかと思うような光景で遅めのランをスタートした。一番練習量が少なかったランだったが、7キロのコースを3周するコースだ、いつも心に決めているのだが「とにかく歩かないで走ろう」と思っている。歩いたら楽に決まっている。そして心がそこでちぎれてしまう。歩くのはそういう怖さがある。コースは3周回なのでチームの仲間とよくすれ違う。その度に励まし合いながら進んでゆく。途中カフェインの200mgを2本入れたが、かなりそれで持っているのだろうと思ったが、あと1本残っている。ラスト1周の時に入れようかどうか迷った。実は同時に吐き気もきていたからだ。入れれば馬力になるが、吐いてしまうかもしれない。いちかばちかだが「えいっ」っともう200mg入れた。吐き気は来なかったが2時間57分もかかってなんとか21キロを走り切った。合計タイムも7時間54分でこれもなんとか8時間切りを出来た。今までの練習量を考えたら上出来だろう。昔50代の頃は6時間台でゴールしているが、もうそこまではとてもとても。しかし、70歳台最初のレース。いい弾みになった。まだやれる。そんな自信もついた。諦めなければゴールできるという感覚も改めて経験できた。やはりEnythng is Possibleだ。
しかし、ヨーロッパのレベルの高さに驚いた大会だった。70−74歳のエイジでは8人中7位だった。しかしトップ3はみんな5時間台でフィニッシュしている。早すぎだ。イタリアもフランスも自転車が盛んだ。その人口の多さにも影響しているのだろう。
ようやくレースも終わり、ホテルに戻りシャワーを浴び夕飯まで何かと後始末をし、打ち上げに臨んだが、どうも胃がムカムカしている。ジェルのせいだとはわかっている。ガバガバ酒を飲みたかったのに飲めなくて徒労感が襲ってきた。終わったー。11月にメルボルンであるレースに申し込みしたが、そのレースまでには完璧な身体に仕上げて臨みたいものだ。「最強の70歳プロジェクト」ようやく一つクリアした。