ライフスタイル
ライフスタイルという言葉は何気に使われている言葉だが、こと商売について話すと思うことが多々ある。例えばスポーツ用品だ。ナイキやアディダスなど大手の企業があるが、彼らは「モノ売り」の世界から脱却しないから更なる規模にならないのではと思う。これは他のスポーツブランドも似ている。つまり競技別の商品を作り、競技別のプロの選手を使い、いかにもその商品を買ったらいい成績が出るような仕掛けをしているわけだ。その域から出ていないままのブランドが殆どかもしれない。今までライフスタイルとしてスポーツから生まれたのはサーフィンしかないと思っていた。サーフィンの場合は独特の思想があるのとあくまで競技のカラーが強くないからスタイルになっていったのだと思うが、最近、ちょっと新しい現象が生まれてきた。
ヨガウェアを代表すると言えばルルレモンだったと思うが、ここに来てaloが台頭してきた。今の企業価値は6千億円らしい。まだ日本には入っていないが、アジアではソウルやバリ島に店がある。ハリウッドからスタートしたブランドだが最近その発信するワードを変えたのだ。「Studio to street」に。つまりヨガスタジオで着ていたものを街でも着ればいいじゃないとしたのだ。日本はまだ少ないが、今やNYやLAでもヨガウェアに何かを羽織って歩いている人がメチャ多い。つまりヨガウェアがファッションになったのである。商品群を見ていると、女性用のスパッツは光沢のある生地が多く、他のファッションとも合わせやすい色が豊富だ。メンズはまだまだだが、ユニセックスで着てもいいものがあるので、自分は女性もののサイズの大きいのを買ったりもしている。この例はまさしくヨガウェアの域を超えてファッション、そしてスタイルになったブランドなのだ。こういう切り取り方がスポーツにはまだまだできると思う。どこのブランドもfor the competitionばかりやっているからだ。だから競技人口の多い野球やサッカーがいつまでもライフスタイルにならない。サーフブランドだけがサーフパンツやボードなどを並べながらTシャツやパーカーなど、ファッション商品を置いている。
実はこう思うことがある。例えば年配ゴルファーでも、毎日泳いでマスターズの競技会に出るおばあちゃんでも、引退したプロの競技者も実はみんな「アスリート」の資格を持っているんじゃないかと思う。特に何の競技かは問わないが、スポーツを楽しみ、打ち込み、自分なりの戦いを挑んでいる人はみんなアスリートじゃないかと。そんなアスリートスタイルのブランドがあっても良いと思う。レースの前や後に着てもいい。また普段着としてどこかにアスリート魂を感じさせる雰囲気があってもいい。自分はかつてアイアンマンをいうトライアスロンの最長レースを14時間ちょっとで完走したが、ゴールした時に「you are an ironman」と言われた時の思いは心に刻まれている。例えば世界中にいるironmanだけが着てもいいファッションがあったら買うだろうと思う。スポーツ競技を競技別ではなく、スポーツをライフスタイルの一部として取り入れているという証になるようなファッションがあったらと思うのだ。ユニクロは「ライフウェア」という言葉を生み出した。自分は「アスリートライフ」という言葉があればと思うし、その言葉を具現化したファッションがあれば良いなと思う。ウサインボルトも着ているし、引退した横綱も着ているし、現役のスポーツ選手も、ママさんバレーに通う人も、朝早くゴルフに行くお父さんも、近所を走っているマラソン大会に出るお姉さんも、みんなアスリートだ。そのアスリート魂に火がつくようなタウンウェアが日々の暮らしにハリを与え、またアスリートとしてどう生きるべきかという精神的な規範にまで影響を与えるようなブランドがあったらなぁと思う。老若男女全てのアスリートの為に。