なんだかんだ言っても

先だっての高齢者講習じゃないが、いくら体力があり元気そうに見えても、老いに勝てない部分もあるものだと思う。例えば、住宅の鍵。田園調布の時は指紋認証だったから何も鍵は持たなくて済んだが、白金に移った時に鍵を持つようになった。そして何が起きたかというと、とにかく忘れ物が多くなった。俺は思うけど、人間の頭のキャパは大体決まっていて、若い時は学べば学ぶほど利口になってゆくのだが、だんだん老いてゆくとそのキャパも一杯一杯になり、例えばひとり名前を覚えると他の1人を忘れるように、たった鍵1本だが、頭の中で鍵に意識を奪われた分、何かに影響が出るのである。考えてみりゃ、ほぼ70年も生きていりゃ、常時使う診察券だけでも5枚くらいあるし、マイナンバーカードも加わったし、おまけに各種暗証番号などもうどれだけのトランザクションが増えたことやら。ほんとそんな状況の中で昨日話したことなどうろ覚えでしかない。自分でもこうやってくだらない文章を書いているのも忘れないようにする為でもある。書いて早く忘れたいのだ。よく老いる順番は「歯、眼、マラ」と言われる。マラとはおちんちんの事であるが、自分の場合は眼に来ている。もちろん老眼もあるが、40歳前後から乱視も混じっている。人間の眼のレンズの寿命は大体60年らしいので、まぁ近いうちに白内障の手術(治療)でも受けなければいけないのだろう。おかげさまで歯は丈夫だ。詰め物はあるにせよ28本全てある。8020、つまり80歳で20本の歯を残そうという運動があるが、死ぬまで自分の歯で食事をしたいものである。
普段の体力というのは歩いたり、ジムに行ったり、泳いだり、歳を重ねても出来ることはあるが、肉体以外の脳や、あるいは関節、腱なども体力と同じように気にしていないといけない。いくら良い筋肉があってもそれを繋ぐ関節や腱が大事だ。いくら筋トレで鍛えても50mを突然走るのは危ない。アキレス腱が切れたら戻るまでに相当時間がかかるし、せっかく鍛えた筋肉もあっという間に落ちてしまう。運動、メンテナンス、栄養、頭を鍛えるなどたくさんの事をやらないとなかなか自由に満足な動きができない。AIエージェントができるといろいろとラクにはなるんだろうが、やはり自分の手や脳で動くことを怠ってはいけない。自分の歯で美味しいものを食べ、自分の手で車を運転し、走ったり、泳いだり、いつでもできる体でいたい。そんなことが老いてからの贅沢ではないかと思う。その贅沢のためにも普段からの気遣いや努力がいるのだろう。大変ですわ、老いるって。