THE LIFEFUMIO TAKASHIMA
ダイアリー2026.4.3

世知辛いのは嫌だねえ

何の郵便かと思ったら「羽田空港新飛行路に係る区民アンケート」だった、中を見てみると、要は港区上空を飛行機が飛んで騒音や部品が落ちたら危ないんじゃないかと、それを区民の声を集めて国に交渉するみたいなものだった。今はタワマンから飛行機を眺めることが多いが、以前の白金にいた時は特に夕方には2分に1機くらいが飛んでいた。しかし、以前も今もそんな嫌な気持ちはなかった。多少は音はするが、そんな事よりもテラスから飛行機を眺め「あーあれはパリから飛んできたのかぁ」とか「ANAで東京に来る人はこれからどこに行くのかなぁ」「ルフトハンザかぁ、久しくドイツには行ってないなぁ」なんて思っているとそれは楽しいものだ。その根底には自分は飛行機が好きなのだ。初めて飛行機に乗ったのは23歳の時に大阪→福岡のJALに乗った時だった。今でこそうちの孫は0歳児から乗っているが、昔はそんなものだった。出張だったが「飛行機に乗って出張している」という自分ができる男のように思えて嬉しかった。しかし、まだその時点で海外旅行は行ったことがなかった。初海外は新婚旅行の時の26歳だったし、まだその時点で両親は飛行機の乗ったことはなかった。それほど庶民の間で飛行機は遠い存在だった。それゆえに多少憧れの存在であった。そんな感情があるなかで港区を飛ぶ飛行機を見ているから自分には全く悪い印象がないのである。初めて飛行機を見たのは中学校の修学旅行の時だった。羽田空港や皇居、日光東照宮など関東の名所をまわった時に羽田でたくさんの飛行機を見た。そんな思い出がある中での飛行機だ。だからすぐ近くを飛んでいてもむしろなんか嬉しいのだ。それは自分の情緒を刺激してくれるからである。

話は変わるが、ふるさと福井に帰省するには今は北陸新幹線だ。以前は東海道新幹線から米原で北陸線に乗り換えていた。だいたいかかる時間は同じだった。しかし、北陸新幹線は自分にとってはあまり好きではない。なぜかというとトンネルが多くて景色を楽しむ時間が少ないからだ。以前は東海道だから富士山がドーンと見える。北陸線に乗り換えると山間の田んぼなどに風景が変わる、以前は日本一長かった北陸トンネルがありトンネルを抜けると雪景色だったりする。そんな風に景色を見ながら楽しめる、つまりそこには旅情というものがあった。乗り換えなく行ける北陸新幹線は便利なのだろうが旅情が感じられないのだ。ましてやリニアモーターが出来たら名古屋まで45分間地下だ。新幹線で1時間半ほどかかる今の時間で何ら不自由はないし、富士山を見て移動したい。

そんな風に考えていると、つまり世間には情緒がなくなっているのだ。飛行機は俺の幼い頃の憧れだ。近くを飛んでいたらむしろ嬉しい。世知辛い文句を言う対象ではない。リニアもなんで大金をかけつくろうとしているのかわからない。しかし、タワマンから見る景色の中に空飛ぶタクシーがたくさん飛んでいる景色は早く見てみたい。手塚治虫の描いていた景色や、映画フィフス・エレメントに出てくる未来の風景にやっと近づくからだ。

利便性ばかりを優先するとつまらない世の中になってしまう。そして人間は感情の満足をどこかで求めるものだ。現に同じ鉄道でも九州の「ななつ星」は凄い人気だ。リニアが完成すると同時に東海道新幹線にはワイドビューの車両を作って欲しい。またビューポイントでは少し速度を落として走って欲しい。便利と情緒を使い分けて同じように開発して欲しいものだ。

「情緒」、いい言葉だねぇ。情緒がなくなったらつまらない世の中になっちゃうよ。